ニートな音楽エンジニア

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【CD】アイドルライブの音出しについて【ステム】

ニートな音楽エンジニアのユニエです。

ユニエの主な仕事はアイドルの歌のレコーディングとミックスです。
ライブでもそのアイドルさんは私のミックスした音源を使います。

今回はカラオケを使ったライブの音の出し方やステム出しについて思ったことや勉強したことを書いてみます。

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アイドルのカラオケライブと生バンドライブ

私が関わっているアイドルは、アイドルと言ってもメジャーのアイドルではなく、地下アイドルやライブアイドルインディーズアイドルと言われるアイドルです。

 

地下アイドルのライブは基本的に生演奏ではなく、CDの音源から歌を抜いた「カラオケ」をCDやパソコンから流し、それに合わせて歌います。
最近は地下アイドルでもバックバンドを揃えての生演奏+踊りも多く見られますが、バンドメンバー、機材、アイドルの踊るスペースを考えると小さめのライブハウスでは
カラオケライブが主流です。

 

生演奏とカラオケのメリット・デメリット

生演奏とカラオケについてはどちらにもメリット・デメリットがあります。

生演奏のメリット

・大音量の生演奏は迫力がある
・ライブ中にリアルタイムで音楽が作り上がっている
・アドリブ等、予定にないことやフレーズを自由に入れられる
・演奏している姿かっこいい。
・新曲ができたらレコーディング前でもすぐにライブで演奏できる

カラオケのメリット

・踊りやパフォーマンスに集中できる
・リハーサルがマイクとカラオケの音量チェックくらいなので時間がかからない。
・転換に時間もかからない
・カラオケは演奏ミスが無い
PAがいるならCDや音楽プレーヤー(スマホに音楽入って入れば)だけでもライブできるので、荷物が少ない。

生演奏のデメリット

・リハーサルに時間がかかる
・転換にも時間かかる
・最低限曲を演奏できるように練習が必要
・楽器やその周辺機材にお金がかかる
・荷物が多い

カラオケのデメリット

・あらかじめ用意したものからは変えられない
・生演奏に比べ迫力はないことが多い
・カラオケを作ってからじゃないとライブができない
・カラオケ再生するメディアが壊れていたら何もできないかアカペラになる

パッと思いついたものを書いただけでもこんだけあります。

正直どちらが良い、悪いといったことはない気がします。

 

カラオケの2ミックスとステム出し

私がアイドルのライブに関わるようになってから知ったことですが、カラオケの音の出し方にも2種類あります。

・CDや音楽プレーヤーから流す2ミックス

一般的なCDやWAV、mp3で全ての楽器等をステレオ2ミックスまたはモノラルにまとめてあります
後からの楽器単位での音量調整はできず、イコライザーを使って音質を変化させるくらいしかいじれません。


・ミックスの段階で各楽器をある程度まとめたステムを流すステム出し

※ステム出しに関しては、楽器をまとめずに完全にバラした音源(パラ音源)を使用している方もいるかもしれません。
ステムの分け方は人それぞれだと思いますが、私は下記の分け方で楽器をまとめています。

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曲毎にトラックも分けてます…
バスドラム
・スネアドラム
・ベース
・上記以外の全ての楽器と歌のハモり

このステムの分け方の良い点

・音響設備で会場ごとに特に違いを感じるのが低音の再生能力です。

簡易のPA設備とクラブの様なウーファーを使用したPA設備では低音の再生能力が全然違います。
例えばイヤホンとスマホについてるスピーカーでは同じ曲を再生しても聞こえ方が違って聞こえるはずです。

会場ごとのスピーカーの違いに対応できるバスドラムとベースがそれぞれいじれるステムミックスは結構便利です。
そして各ステムは音量だけではなくリアルタイムでイコライザーをいじったりすることもできるので、その会場やスピーカーの特性にあった音作りも可能になります。

こうしてPCのDAWでまとめた2ミックスをパソコンのイヤフォン端子かオーディオインターフェースから会場のPA卓に送って最終的にスピーカーから音が出ます。

 

あとがき

まだまだ私もステムでのライブの音出しについては勉強中なので、今後も追記していこうと思います。